
廃車手続きの依頼先のひとつに、ディーラーが挙げられます。
しかし、「流れや必要書類が分からない」「どのくらい費用がかかるの?」「ディーラーに依頼するのが本当に最適?」といった悩みを持つ方は少なくありません。
本記事では、廃車手続きをディーラーに依頼した場合の流れや、必要書類、費用、メリット・デメリットなどを解説します。
【この記事で分かること】
・ディーラーに廃車手続きを依頼する流れや必要書類
・ディーラーに廃車手続きを依頼する場合にかかる費用
・ディーラーに廃車手続きを依頼するメリットとデメリット
・ディーラー以外でお得に廃車手続きをする方法
ディーラーに廃車手続きを依頼する流れ

ディーラーに廃車手続きを依頼する場合の大まかな流れは、以下のとおりです。
- 車を引き取ってもらう日を決める
- 必要書類を準備して車を引き渡す
- 自動車税を還付してもらう
各ステップについて、詳しく見ていきましょう。
1.車を引き取ってもらう日を決める
まず、ディーラーに連絡し、廃車予定の車の引き渡し日時を調整します。新車に乗り換えるなら、納車と廃車のタイミングを合わせて、納車日に引き渡すとスムーズです。
新車の納期は通常1〜3週間ほどですが、人気車種や社会情勢などにより数ヶ月かかることもあります。納車予定を確認し、引き渡し日を決めましょう。
2.必要書類を準備して車を引き渡す
次に、引き渡し日までに、以下の書類を用意しましょう。
普通自動車 | 軽自動車 |
---|---|
・申請書 ・手数料納付書 ・自動車検査証 ・印鑑印鑑証明書 ・ナンバープレート | ・解体届出書 ・使用済自動車引取証明書 ・自動車検査証 ・軽自動車税申告書 ・印鑑 ・ナンバープレート |
全ての書類を揃えて、引き渡し日に車と一緒にディーラーへ渡します。必要書類について分からないことがあれば、事前にディーラーに相談し確認しておくとよいでしょう。

3.自動車税を還付してもらう
普通自動車の場合、毎年4月1日時点の所有者に課税され、1年分の自動車税をまとめて支払うため、年度の途中で廃車にすると未経過月分が還付されます。
還付金額の計算式は、以下のとおりです。
[還付金=自動車税(1年)×未経過月分(廃車月の翌月〜年度末(3月))/12ヶ月]
年税額を基に廃車した翌月から年度末(3月)までの月数で計算されます。
手続き完了からおよそ2ヶ月半後、都道府県税事務所から郵送された「還付通知書」を指定された金融機関の窓口へ持っていくことで、還付金を受け取ることが可能です。
還付に関する詳しい流れや不明点は、トラブルを避けるためにも事前にディーラーの担当者へ確認しておきましょう。
ディーラーに廃車手続きを依頼する場合にかかる費用
廃車手続きをディーラーへ依頼する場合、手数料などの費用がかかります。
ここでは、費用の内訳を紹介したうえで、ディーラーの廃車手続き費用が高い理由や、費用を抑える方法についても見ていきましょう。
ディーラーでの廃車手続き費用の内訳
廃車には、車を解体する「永久抹消登録」と、一時的に使用を中止する「一時抹消登録」の2種類があり、ディーラーに依頼する際の費用も以下のように異なります。
手続の種類 | 廃車費用 |
---|---|
永久抹消登録 | 4万〜10万円程度 |
一時抹消登録 | 1万〜2万円程度 |
それぞれにかかる費用の詳細について、詳しく見ていきましょう。
永久抹消登録
永久抹消登録とは、完全に車を解体処分し、その登録情報を抹消する手続きのことです。今後、その車に乗る予定が全くない場合に行います。
ディーラーに依頼する際の費用内訳は、解体費用として1.5万〜3万円、自走できない場合のレッカー代に1万〜3万円ほどかかります。
さらに、手続きの代行手数料が1万〜2万円程度必要です。もしリサイクル料金が未納の場合は、8千〜2万円程度が加算され、合計で4万〜10万円程度が費用の目安となります。
一時抹消登録
一時抹消登録とは、車を解体せず、一時的に登録を抹消する手続きのことです。
長期の出張や入院などでしばらく車を使用しないものの、将来再び乗る可能性がある場合に行います。
ディーラーに手続きの代行を依頼する場合、費用は1万〜2万円程度が相場です。これに加えて、運輸支局で支払う登録手数料として350円が別途必要となります。
ディーラーでの廃車手続き費用が高い理由
先述のとおり、廃車手続きをディーラーに依頼する場合の費用は高額な傾向にあります。その理由としては、主に以下の2点が挙げられます。
- 廃車で利益を出していない
- 中間マージンが発生する
ディーラーの主な収益源は新車販売です。廃車手続きは顧客サービスの一環ではあるものの、利益につながるものではないため、費用が割高になる傾向があります。
さらに、多くのディーラーは自社に解体やリサイクルの設備を持っておらず、車の処分は認可を受けた外部の解体業者に委託しています。この際に人件費や仲介手数料(中間マージン)が発生することも、廃車費用が高くなる要因です。
パーツや資源を再利用して利益を生む廃車専門業とディーラーは、ビジネスモデルが根本的に異なります。
ディーラーでの廃車手続き費用を抑える方法
ディーラーでの廃車手続き費用を抑える方法は2つあります。
- 自走できるならレッカーを利用せず持ち込む
- 得意先に交渉する
自走可能な車は、ご自身でディーラーへ運転して持ち込むことで、数万円かかることもあるレッカー代を節約できます。故障などで自走できない場合、JAF等のロードサービスを自分で手配すると、ディーラーに依頼するより安く済むこともあります。
また、これまで車の購入や車検などで継続的に利用し、担当者と良好な関係を築けているディーラーがあれば、廃車費用について相談してみるのも有効な手段です。ディーラーは優良顧客との長期的な関係を重視するため、交渉次第で手続きの手数料を無料、あるいは割引価格で対応してくれる可能性があります。

ディーラーに廃車手続きを依頼するメリット
廃車手続きをディーラーに依頼する主なメリットは、以下の3つです。
- 面倒な手続きを任せられる
- 新車購入の際に下取りしてもらえる可能性がある
- 廃車と新車の納車のタイミングを合わせられる
それぞれ詳しく解説します。
面倒な手続きを任せられる
廃車をディーラーに依頼すると、解体業者の手配から、運輸支局での書類提出まで、廃車にまつわるさまざまな手続きを任せられます。
特に運輸支局は平日の日中しか開いておらず、自分で行くとなるとスケジュールの調整が難しいため、代行してもらえるメリットは大きいでしょう。また、レッカー代はかかるものの、走行に支障がある車の移動なども引き受けてもらえます。
依頼者は基本的に必要な書類を準備するだけで済むため、忙しい方や手続きに不安がある方でも安心です。
新車購入の際に下取りしてもらえる可能性がある
ディーラーで新車に乗り換える際には、廃車予定の車を下取りに出せるか相談してみると良いでしょう。
車の状態によっては下取りが可能で、買取価格は新車の代金から差し引かれるため、お得に購入できます。車の状態が良ければ高額査定となり、新車購入の負担を大幅に軽減できるでしょう。
廃車と決めつける前に、まずは下取りの相談をしてみるのがおすすめです。
廃車と新車の納車のタイミングを合わせられる
ディーラーに廃車手続きと新車購入を同時に依頼すると、廃車にする車の引取りと、購入した新車の納車のタイミングを調整してもらえます。
もし、廃車と新車の納車のタイミングがずれると、車がない期間が生じ、レンタカーや公共交通機関など代替の移動手段を探さなくてはなりません。
その点、ディーラーなら納車日まで廃車予定の車を使用できるよう配慮してくれるため、日常生活に支障が出にくく、新車への乗り換えがスムーズです。
ディーラーに廃車手続きを依頼するデメリット
ディーラーへの廃車手続き依頼には、いくつかのメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。
- 廃車費用が高い
- 下取り価格が低くなりやすい
- 還付金が返ってこない可能性がある
それぞれ見ていきましょう。
廃車費用が高い
ディーラーに廃車を依頼すると、費用が割高になる傾向にあります。手続き代行手数料に加え、レッカー代や解体費用が上乗せされるため、総額で数万円にのぼることも珍しくありません。
また、先述の通り、多くのディーラーが解体を専門業者へ外注しており、その際に仲介手数料(中間マージン)が発生するため、廃車買取業者に直接依頼する場合よりも費用が高くなります。
ディーラーに廃車を依頼する際は事前に見積もりを取り、費用をしっかり把握しておくことが大切です。

下取り価格が低くなりやすい
ディーラーの下取りは、新車の購入を促すサービスという側面が強く、中古車市場の相場が必ずしも反映されるわけではありません。
廃車買取業者は再販を目的としているため、市場価値を重視しますが、ディーラーでは競争原理が働きにくく、査定額が低めに抑えられがちです。
そのため、廃車買取業者なら値段がつくような車でも、ディーラーでは年式や走行距離を理由に下取り価格が一切付かず、逆に廃車費用を請求されるケースも少なくありません。
還付金が返ってこない可能性がある
車を廃車にすると、前払いした自動車税や自動車重量税などの未経過分が「還付金」として所有者に戻ってくるのが、本来の仕組みです。
しかし、ディーラーによってはこの還付金を手続き費用と相殺したり、下取り価格に含めたりして、返金について明確に説明しないケースがあります。
その結果、利用者は受け取れるはずのお金がどうなったか分からなくなり、実質的に損をしてしまう可能性があります。
トラブルを防ぐため、契約を結ぶ前に還付金の扱いについて必ず確認することが重要です。
ディーラー以外で廃車手続きをする方法
ここまでに説明したとおり、ディーラーでの廃車は、複雑な手続きを代行してもらえる一方で、費用が高額になりがちな傾向にあります。一方、廃車買取業者に依頼すれば、よりお得に手続きを進められる可能性が高いです。
廃車買取業者は、修理して再販したり、パーツや鉄資源として売却したりと、廃車からさまざまな形で利益を生み出せるビジネスモデルです。そのため、どのような状態の車でも買取の対象になり、ディーラーでは下取りを断られたり、下取り額はほとんどつかないようなケースでも、廃車買取業者ではお金を受け取れる可能性があります。
また、ディーラーでは有料になりがちなレッカー代・解体費用・手続き代行費用が原則無料な点も廃車買取業者の強みです。
廃車買取業者の利用を検討する際は、まずは来店不要で申し込める無料査定を利用し、自身の車にどれくらいの価値があるか確認してみましょう。


ディーラーで廃車手続きを依頼する際によくある疑問
ここでは、ディーラーで廃車手続きに関するよくある質問と、その回答をあわせて紹介します。不安や疑問点を事前に解消し、スムーズに手続きを進めましょう。
ディーラー名義の車を廃車手続きする方法はありますか?
自動車ローンを利用して購入した車は、車検証の「所有者」が購入した際のディーラー名義になっていることが一般的です。廃車手続きは原則として所有者でなければ行えないため、このままでは手続きを進められません。
まずは、ローンを完済した上で、所有権を自分に移す「所有権解除」の手続きが必要です。ローン完済後、ディーラーに連絡して所有権解除を依頼し、名義を自分に変更してもらいましょう。その後、改めて廃車手続きを進める流れとなります。
ディーラーの廃車手続きにかかる期間はどのくらいですか?
廃車手続きをディーラーに依頼した場合、永久抹消登録は1週間程度かかるのが一般的です。一時抹消登録であれば最短1日で完了することもあります。
ただし、提出した書類に不備があった場合は、再提出を求められ、完了までに時間がかかるでしょう。また、ディーラーは廃車の専門業者ではないため、解体業者との連携や書類のやり取りの都合で、時間がかかってしまうケースもしばしば起こります。
事前にどのくらいの期間で手続きが完了するのかを確認したうえで依頼すると安心です。
まとめ
ディーラーに廃車手続きを依頼した場合、面倒な手続きを一括で任せられたり、新車への乗り換え時に納車タイミングを調整できたりといったメリットがあります。一方で、費用は高額になりがちな傾向にあり、さらに、還付金の扱いが不明瞭になるリスクもあるため、注意が必要です。
廃車にかかる手間や費用を少しでも抑えたい方には、廃車買取業者への依頼をおすすめします。
「廃車バイキング」なら、レッカー代・解体費用・廃車手続き代行費用はすべて無料です。不動車や事故車でも、分解パーツを需要の高い海外へ輸出して販売するため、高価買取が可能になります。
還付金は廃車手続き完了後に管轄の税事務所から返ってくるので安心です。まずは、お気軽に無料査定をお試しください。