車のバッテリーランプが点灯したり、エンジンのかかりが悪くなったりしたら、オルタネーターが故障している可能性があります
オルタネーターとは、自動車のエンジンが回転する力を電気エネルギーに変換し、バッテリーの充電や電装品への電力供給を行う発電機です。故障すると走行中にエンジンが停止する危険性があるため、前兆症状を見逃さず適切に対処しましょう。
この記事では、オルタネーター故障の前兆症状や、実際に壊れるとどうなるのか、対処法などについて詳しく解説します。
【この記事で分かること】
・オルタネーターが故障する前兆となる症状と故障後の症状
・オルタネーターが故障する原因
・オルタネーターが故障したときの対処法
オルタネーターが故障する前兆となる症状

オルタネーターが故障する前兆となる症状は、主に以下の4つです。
- バッテリーランプが点灯する
- エンジンがかかりにくい
- 異音がする
- エアコンやカーナビなどの電子機器が不調になる
各症状の内容を詳しく解説しています。自車で起きている現象と近いものがないか確認してください。
バッテリーランプが点灯する
オルタネーターに異常があると、バッテリーへの充電が正常に行われず、メーター内に赤いバッテリー警告灯が点灯します。
エンジン始動時に一瞬点灯するのは正常な動作ですが、走行中に点灯した場合は注意が必要です。警告灯が消えずに点灯したままの場合、発電量が不足しているか、逆に過剰に発電している可能性があります。
場合によっては黄色のエンジンチェックランプや、車種によっては発電異常を示すメッセージが表示されることもあります。
特にバッテリーが新しく、液量も十分、さらにファンベルトも切れていないのに点灯するときには、オルタネーターの不具合の可能性が高いです。
エンジンがかかりにくい
オルタネーターが発電不足を起こすと、エンジン始動に必要な電力が足りず、エンジンがかかりにくくなります。
これは、オルタネーターが正常に発電できず、バッテリーへの充電が不十分になるためです。バッテリーに残量があれば一時的に始動できることもありますが、充電不足のまま繰り返し始動を試みると、徐々に電力が尽きてしまい、次回以降はかからなくなることがあります。
さらに、エンジンがかかったとしても、走行中にアクセルを踏んでも加速しないといった症状が見られたときは、オルタネーターの寿命や故障の可能性があります。
異音がする
走行中に異音が発生する場合、オルタネーター内部の部品や関連するベルトなどに不具合が生じている可能性があります。
異音の種類によって不具合の原因が異なりますが、「キュルキュル」「カラカラ」「ウィーン」といった特徴的な音が聞こえる場合は、オルタネーター不調の可能性が高いです。
こうした異音を放置すると、最終的にオルタネーターの機能が停止し、突然のエンジン停止やバッテリー上がりにつながりかねません。
正常なオルタネーターは基本的に異音を発しないため、いつもと違う音に気付いたら、故障の前兆と考え、早めにディーラーや整備工場で点検を受けることが大切です。
エアコンやカーナビなどの電子機器が不調になる
オルタネーター故障の前兆症状は、車に搭載された電子機器の不調として現れることがあります。オルタネーターの発電能力が低下すると、これらの機器を動かす電力が不足するためです。
以下の症状が現れた際は注意が必要です。
- エアコンの効きが悪い
- カーナビの画面がちらつく
- オーディオの音量が小さくなるなど
また、ライトがちらついたり、点灯しなかったりする場合も、同様に注意が必要です。
これらの症状を放置すると、最終的には電力供給が完全に途絶え、機器が停止するなどの事態につながります。
実際にオルタネーターが故障するとどうなる?

オルタネーターが故障してしまうと以下の事態に陥ります。
- エンジンが停止する
- ステアリングやブレーキペダルが重くなる
- 電子機器が停止する
万が一、このような状態に陥った場合は、すぐに運転を止め、救助を要請しましょう。
ステアリングやブレーキペダルが重くなる
走行中にブレーキペダルやハンドルが急に重くなった場合、オルタネーターが十分な電力を供給できていない可能性があります。
最近の車は、パワーステアリングやブレーキ倍力装置など、電気によって操作を補助する装置が数多く搭載されています。普段スムーズに曲がったり止まったりできるのは、これらの装置の補助を受けているからです。
しかし、電力を生み出すオルタネーターに不具合が生じると、これらの装置への電力供給が弱まり、ハンドルやブレーキがいつもより重く感じられます。特に走行中に異常を感じたら、無理に運転を続けず安全な場所へ移動し、停車してください。
エンジンが停止する
オルタネーターが完全に故障すると、バッテリーへの充電が途絶え、エンジン制御に必要な電力が不足するため、最終的にはエンジンが停止してしまいます。
オルタネーターの故障によるエンジンの停止は、始動時だけでなく、走行中にも発生する可能性もあります。この状態に陥ると、後続車との衝突など、大事故に発展する可能性もあるため、非常に危険です。
最悪のケースを避けるためにも、オルタネーターの不調を感じたら、速やかに専門家に相談し修理してもらいましょう。
電子機器が停止する
オルタネーターの故障は、車内の電子機器が完全に停止する事態を引き起こします。
オルタネーターの発電機能が失われると、バッテリーに蓄えられた電力だけで車は動きますが、その電力が尽きるとあらゆる電子機器は動かなくなります。具体的な症状は以下のとおりです。
- カーナビやオーディオの電源が落ちる
- ヘッドライトが点灯しなくなる
- エアコンが停止するなど
特に夜間、ヘッドライトが消えてしまうと走行は不可能になり、身動きができなくなります。こうした事態を避けるためにも、オルタネーターの故障の前兆症状を無視しないことが大切です。
オルタネーターが故障する原因
オルタネーターが故障する原因は以下の4つです。
- ベアリングの摩耗または損傷
- プーリーの不具合
- ファンベルトの滑りが異常
- 高温による負担
各原因ごとに特徴的な症状も紹介しているので、以下の解説をよく読み、オルタネーターの不具合を早期発見できるようになっておきましょう。
ベアリングの摩耗または損傷
オルタネーターから「ウィーン」といった異音が聞こえる場合は、内部のベアリングの摩耗、もしくは損傷している可能性が高いです。ベアリングはローターを滑らかに回転させるための重要な部品で、劣化によって発生する異音は主に以下の3つです。
- 「ウィーン」
- 「ヒューン」
- 「ゴロゴロ」
これらの異音は、エンジン回転数に連動して大きくなるのが特徴です。初期段階では発電能力に影響しませんが、放置すると異音が悪化したり他の部品に負担をかける恐れがあります。
また、長期間放置すると、オルタネーターだけでなく、他の部品の故障にもつながり、修理期間や費用が増加してしまいます。異音を感じたら早めに点検・交換を行うことが重要です。
プーリーの不具合
オルタネーターから「カラカラ」「カタカタ」といった異音がする場合は、プーリーの不具合が原因の可能性があります。
プーリーはオルタネーターを回転させる重要な部品です。ゆるみや内部破損が起こるとガタつきが生じ、異音となって表れます。放置するとベルトが外れて走行不能になったり、プーリー自体が脱落して周囲の部品を損傷する恐れがあるため、非常に危険です。
異音を発見した際は、安全な場所に停車しエンジンを停止させ、整備工場へレッカー搬入するのがおすすめです。
ファンベルトの滑りが異常
オルタネーター付近から「キュルキュル」という音が聞こえる場合、ファンベルトの滑りが原因と考えられます。
ファンベルトの滑りは、多くの場合、ベルトの劣化にともなう硬化や、ひび割れによるものです。放置するとベルトが切れて走行不能になる恐れがあるため、早めの点検・交換が必要です。
また、オルタネーターのベルトは調整式と自動調整タイプの2種類あります。調整式は、ベルトが正常でも張り不足で滑ることがあり、ベルトを張り直すと異音は改善します。一方、オートテンショナーによる自動調整タイプの場合は、テンショナー自体の劣化が原因となるケースもあるため、部品交換が必要です。
オルタネーター故障による発電不足を防ぐためにも、普段から運転中の車の音に気を配り、異音を感じたら早めの対応を心がけましょう。
高温による負担
オルタネーターは、エンジンが発する高熱にさらされるため、故障しやすい部位です。特に夏場は、外気の熱とエンジン熱の両方に影響されるため、より大きな負担がかかります。
エンジンが異常発熱している場合は、オルタネーターの不調も起こりやすくなります。経年劣化が進んでいたり、長距離走行を繰り返したりする場合も、リスクが高いです。走行中のトラブルを防ぐために、定期的な点検と早めの対応が欠かせません。
夏場は日陰に駐車したり、長距離移動ではこまめに休憩を挟んだりといった対策を実施すれば、高温の影響を低減できます。
オルタネーターが故障したらどうすれば良い?
オルタネーターが故障した場合、そのまま運転を続けることは危険です。できるだけ速やかに修理や交換を行いましょう。
ここでは、走行中に故障した場合の対処法や、修理・交換時の選択肢などについて解説します。
走行中に故障した場合はすみやかに運転をやめる
前述のとおり、オルタネーター故障の前兆症状は、始動時だけでなく走行中に現れることもあります。その場合は、すぐに運転を止め、安全を確保することが重要です。
ただし、ガソリンエンジンの場合、オルタネーターが故障し、なおかつ電力を使い切ってしまった場合は、着火用の火花を飛ばせなくなるため、自力で再始動できず、立ち往生してしまう場合があります。
高速道路や交通量の多い幹線道路、狭い道路などで動けなくなると、衝突事故や渋滞を招きかねません。また、人通りのない山道で動けなくなると、救助を呼べない可能性があり、非常に危険です。
このようなリスクを避けるためにも、早めに点検や整備を受け、オルタネーター故障の前兆を見逃さないようにしましょう。
修理もしくは交換をする
オルタネーターが故障した場合は修理か交換の選択が必要です。
特に一般的なのは、経年劣化による交換対応です。交換する際には、新品、もしくは品質の高いリビルト品を選ぶことをおすすめします。中古品での交換は一見費用を抑えられそうに見えますが、使用歴があるため再度不具合が起きやすく、結果的に新品交換と同等の費用になるケースもあります。
リビルト品とは、中古部品を分解・洗浄し、劣化した消耗パーツを新品に交換して再び組み立てすることで、新品同様の性能を回復させた部品です。
オルタネーターは専門知識がなければ修理が難しく、部品交換で済むのか全体を取り換える必要があるのかによって費用も大きく変動します。
信頼できるディーラーや整備工場に持ち込み、現状を確認したうえで修理・交換の見積もりを取ることが最も確実で安全な対応です。
修理・交換費用が高額になる場合は乗り換えも選択肢
オルタネーターの修理・交換にかかる費用相場を以下にまとめます。
| 修理方法 | 部品価格の目安 | 工賃の目安 | トータル費用 |
|---|---|---|---|
| 新品 | 5~10万円 | 1~2万円 | 6~12万円 |
| 中古品 | 1~5万円 | 1~1.5万円 | 2~6.5万円 |
| リビルト品 | 1~5万円 | 1~1.5万円 | 2~6.5万円 |
オルタネーターの交換には、新品だと部品代だけで5万~10万円、工賃を含めると6万~12万円程度かかります。
一方、中古品やリビルト品を選べばトータルで2万~6万円台に収まることが多く、費用を抑えることが可能です。中古品は不具合のリスクが高いため、品質保証のあるリビルト品がおすすめです。
修理費が高額になった場合は、無理に直すよりも乗り換えを検討しましょう。故障車でも廃車買取業者なら無料で引き取り可能なうえ、場合によっては買取価格がつきます。余計な維持費をかけず、次の車の購入資金に充てられる点も大きなメリットです。
修理・交換か乗り換えか迷ったら、まずはご自身の車が現在いくらの価値があるのか、一度無料査定で確かめてみましょう。

オルタネーターの故障に関するよくある疑問
オルタネーターの故障に関するよくある疑問を3つ紹介します。
- 自分で修理・交換は可能?
- 走行中にオルタネーターが故障したらどうすれば良い?
- オルタネーターの寿命や交換時期はどのくらい?
疑問点をチェックし、オルタネーターの異常や点検時期を把握しておきましょう。
自分で修理・交換・点検は可能?
オルタネーターの修理や交換を自分で行えば、費用を抑えられると考える方もいるかもしれません。しかし、内部の細かい部品修理は素人には難しく、取り付けを誤れば再度不具合が発生して余計な出費につながる危険があります。
点検に関しても、専門知識が必要なため、初心者にはハードルが高いです。どうしても自分で定期的に点検したい場合は、ホームセンターなどで販売されている「オルタネーターチェッカー」を使いましょう。こちらは約2,000円で購入でき、オルタネーターの電圧や電流を測定できます。
とはいえ、オルタネーターは車の走行に直結する重要部品です。異常が見られた場合は自己判断せず、必ず業者に点検や修理を依頼するのが安全で確実です。
走行中にオルタネーターが故障したらどうすれば良い?
走行中に「ヘッドライトが暗くなる」「異音がする」「ハンドルやブレーキが重くなる」といった異常を感じたら、すぐに安全な場所へ停車してください。
バッテリーが残っていればすぐにエンジンが止まることはありませんが、そのまま走行すると突然動かなくなり、再始動も困難になる可能性があります。
また、ジャンプスターターやポータブル電源で一時的にエンジンを始動させる方法は、どちらも根本的な解決にはならないため、注意が必要です。これは、オルタネーターが故障している場合、発電されないため一時的にエンジンがかかってもすぐに再び停止し、かえって危険な状況を招く恐れがあるからです。
停車後は、ロードサービスやJAFに救助を依頼したり、近くのディーラーや整備工場に修理依頼をするといった対応をしましょう。
オルタネーターの寿命や交換時期はどのくらい?
オルタネーターの寿命は、一般的に走行距離10万km前後、または使用開始から10年程度とされています。ただし、これはあくまで目安であり、車の使用状況やメンテナンスによって前後します。
近年のオルタネーターは耐久性が向上しており、20万km以上走行しても問題なく使えることも珍しくありません。定期点検や車両の状態、使用頻度を見ながら交換時期を判断することが重要です。
まとめ
オルタネーターの故障は、バッテリーランプ点灯や異音といった前兆症状から始まり、放置すると走行中のエンジン停止など重大なトラブルにつながる可能性があります。
修理・交換費用は新品で6~12万円程度かかりますが、中古品やリビルト品では2~6万円台に抑えることも可能です。
修理費が高額になった場合は、現在の車の価値を見定め、乗り換えを検討するのも賢明な判断といえます。オルタネーター故障による高額な修理費用を考えると、廃車買取業者への売却も選択肢の一つです。
廃車買取業者なら故障車や不動車でも無料引取に加え、買取価格がつくケースも珍しくありません。高額な修理費用でお困りなら廃車バイキングにご相談ください。
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